Lyft、UberのIPOを前にして思うこと
LyftのIPO(Initial Public Offering、新規株式公開)が近づいている。
企業価値の見積もりはUS$23 Billion、日本円でざっくり2.3兆円。
ライドシェア(Ride-hailing)の代名詞とも言えるUberも4月にはIPOすると言われており、企業価値はなんとUS$120 Billion、日本円で12兆円とも言われている。
ライドシェアを自動車メーカーと比較するのも違うかもしれないが、2017年のデータを拝借してLyft, Uberの企業価値の規模感を見てみたい。
Uberはトヨタ自動車には及ばないものの、Daimler社を遥かに引き離す位置にプロットされる。
Lyftは上記棒グラフではランク外になるが、スズキ自動車と同じ程度である。
自動車メーカーに囚われず、日系企業の時価総額ランキングで比較してみても、Uberは2位か3位に。Lyftで55位程度にランクインする。もちろんIPOの瞬間風速的な数値予測であるが、それぞれ2009年、2012年の創業であることを考えると10年あるいはそれ以下の短期間にすごい勢いで駆け上がってきたことに驚きを禁じ得ない。
もちろんごぼう抜きされるのは米国市場も同じだ。3Mをはじめとした大手企業の上をいく企業価値、時価総額をUberが達成するかもしれないのだ。
両者とも現在までで利益は出ていないが、500%を超える成長率を看板に投資家たちの熱い期待が高まっているのだろう。
ライドシェアの2社に限らず、2019年はIPOを予定している企業が多数いる。
シェアリングエコノミーの先駆者であるAirbnb(2008年創業)、コワーキングスペースでSoftbankからの出資を受けたWeWork(2010年創業)、コミュニケーションツールのSlack(2009年創業)ウェブ上の写真をスクラップできるPinterest(2009年創業)などである。
引き続き情報には目をつけておきたい。
それにしてもUber、Lyftだけでなく今後IPOを控えている企業たちをみると、今の我々、特に若い世代にとっては当然のように身の回りに存在し、なかった頃が想像もできないサービスを提供する企業が多い。
これらの企業の創業時に、あるいはアイデアを聞いた時に、「よし!投資しよう!」と決断した投資家たちは本当にバケモノだと思う。10年間待ちわびていた刈り入れ時に、喜びもひとしおだろう。
さて、私はシリコンバレーにいる間に、額の間から天を突く美しい角を生やし、空高く駆け上がろうとするユニコーンの雛たちに相見えることはできるのだろうか。
参考: