Blendid: ロボットが調理すると何が嬉しいのか
日本ではハウステンボスの「変なレストラン」でロボットが調理を担当している。
渋谷でも「変なカフェ」としてロボットアームを使ってコーヒを淹れるカフェがある。
(変なカフェのロボットは2018年に破産したRethink Robotics社だがメンテナンスは大丈夫何だろうか?)
シリコンバレーでもスタートアップのCafe Xがロボットアームを利用した無人コーヒースタンドを提供して注目を集めている。コーヒーを淹れたあとは手を振ってくれるなどエンタテイメントもしっかり仕込まれている。
また、同じような試みとしてフルーツシェイクをロボットに作らせるBlendidというスタートアップも存在している。
いずれも目新しいけれど、穿った見方をすると「だから何が嬉しいの?」という気にもなる。
いうまでもなく日本を含む各国では生産者人口の減少が顕著になっており、代替労働力としてロボットへの期待は大きい。吉野家が試験的に食器洗浄用ロボットを導入したのも斯様な背景があるのだろう。
Cafe XにせよBlendidにせよ代替労働力としての効果は理解できる。しかしメリットはそれだけなのだろうか?
機会があったのでBlendidの社員にこの疑問をぶつけてみたのだが、同社が思い描いている世界観は代替労働力に留まらず、人間の新たな体験をデザインしようとしていることがわかった。
曰く、ロボットを介する事によって調理の工程がオンラインに接続された。これによってユーザーは場所に寄らず事前に自分のオーダーを発注することが可能。人間と異なって、調理時間も開始から完了まで全てオンラインで見える化されている。
出張時、飛行機が目的地について美味しいフルーツシェイクを飲みたかったら、機内にいるうちに注文しておけば良い。ロボットは飛行機の着陸状況のデータを手に入れ、遅延していれば作成開始時間も送らせて、注文者がゲートから出てくるタイミングに合わせて作るように調整ができる。
ライドシェアと連動すれば、到着時間に合わせて出来立ての提供も可能になる。
Blendidはまだ試験的にロボットを動かしているだけで上記の世界観を達成できているわけではないけれど、個人的にはライドシェアの次にどんな変化が訪れるのか?を考えるヒントになるような気がしている。
ロボット調理ステーションの食材補充やメンテナンスのタイミングは自然とロボットが知らせてくれる。ライドシェアは車の現在地、空き状況が見える化された。
うまく言語化できないですが、対面での無人化は進む中でオペーレーションではデータの提示する指示にしたがって人間があっちこっちに動き回ってロボットの隙間を埋めていくんじゃなかろうか。
なんてことない最近読んだホモ・デウスの影響受けまくりの結果ですが。
いずれにせよ今まで経験値としてデジタル化されてなかったものがデジタル化されて相互に接続されることで新たなサービスが生まれてくるんだろう、というような事を感じております。
ロボットが調理すると、思いもかけないところで私自身が気づいてもいないところで何かが私のために動いているような世界になるのでしょうか。
風が吹けば桶屋が儲かる。ロボットが働くと、誰が儲かる?
以上、最後までおつきあいいただきありがとうございます。
参考: