シリコンバレー生活6ヶ月で感じたこと

2018年5月末から始まった米国シリコンバレー生活もあっという間に6ヶ月が経とうとしている今、この半年で感じたことをまとめてみたい。

 

結論は大きく2点;

  • 個人のつながりを意識し、自分が何者か定義すべし
  • 目的を定め共有し、行動を起こすべし

何とも間の抜けた結論ですが、少しでも興味を持たれた方は続く長文にもお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

シリコンバレーの力学

 

私は日系メーカーから現地法人に出向しており、シリコンバレーでは下記の任務を仰せつかっている;

  • スタートアップ企業との連携を通じた新規事業創出

斯様な任務に携わる人間は山ほどいる。ありとあらゆる業界の日系企業から人が送られてきているし、もちろん米国全土だけでなく世界中から同様にシリコンバレーにやってきては新しい技術、ビジネスモデルに目を光らせ好機を伺っている。

 

大企業、投資家と問わずこの地の主な登場人物たちに共通することは一つ。

 

 「誰よりも早く有望株を見つけたい」

 

事業差別化にせよ財務的にせよ、リスクをとって大きなリターンを得るためには良質な情報を競合に先んじて入手することが重要な要素である。

 

 

シリコンバレーに行けば何か出来るはず!は勘違い

 

目もくらむような資金調達、SF小説を思わせる夢のような新技術。メディアから得られる情報はいつも輝いている。そうだシリコンバレーに行こう!そこに行けば何か出来るはず!そういう思いを託されてやってくる人間は私を含めて一定数いると思われる。

 

やってくるとまずは情報の渦に巻き込まれる。日々昼夜問わずどこかでピッチイベントが行われており、何も考えなくともいくらでも情報に触れられる。さすが起業家憧れの場所!と心踊ること間違いない。

しかし、その先が問題なのだ。前項の通りこの地で働く力学は速度が肝要。短期間、最短距離で走り抜けたいスタートアップ企業にとって、どこの馬の骨ともわからない会社と組むことは目的達成の妨げにしかならない。

またリスクをとって参画している既存の大企業、投資家にとっては成功確率を高めるために役立つかわからない人間に時間を割いていられない。

 

幸い私の所属する会社は先達、既存事業の方々の努力の賜物により、一度は会ってくれる。問題はその後、継続して会っていたいと感じてもらうことだ。2度目以降は会社の看板は通用しない。

 

  「なぜ君に会うのか?なぜ君なのか?」

 

このシンプルな質問に応えられなければ。。

こちらに来て3ヶ月ほど経った頃、鈍感な私は漸く身にしみたのである。

 

 

◆ 君は何者なのか

 

私に会って「何が嬉しいか?」に応えるためには、私に「何が出来るのか?」を遅ればせながら真剣に考え始めた。さらに言うと私は「何がしたいのか?」

目的を定め、自分の持っている武器の数々、今後必要になる物資とその調達方法が見えてくると前項の問いかけに自信を持って応えられるようになってきた。

あまり得手ではないネットワーキングイベントでも、以前よりは多少話が出来るようになった。

まだ数少ないが、「こんな企業は知っているか?」と声をかけてもらえることもあった。会社としてではなく私個人としてコンタクトしていただいたと思う。

自分が何者なのか考えながら活動した直近の数ヶ月を総括すると、目的を定めるだけでなく、それを発信することは重要だ。文字通り人のネットワークを介して情報が伝搬し、どこかで糸が引かれることもあるからだ。

 

 

◆ 私のゴールはどこにあるのか?

 

とはいえ、「君は何者か?」という問いにはこれからも応え続けていくに違いない。

仕事柄多くのピッチイベントを聴講するが、ふとした時に思うのは「なぜ私は聴く側なのか?なぜ発表する側ではないのか?」ということだ。

おそらくこの問いが沸き起こることに私のゴールに関するヒントがあるように感じる。

答えはまだないが、じっくりと楽しんで解に取り組んで行きたい。

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。