RidePal, Leap Transit: 通勤バス革命に散ったライバル達

Uberに対してLyftがあるように、通勤バスのライドシェアでイノベーションを起こそうとしたのもChariotだけではない。

 

設立の若い順に並べると下記の通り;

  • RidePal   (2011年設立、本社サンフランシスコ ⇨ 2015年廃業)
  • Via        (2012年設立、本社NY)
  • Leap Transit (2013年設立、本社サンフランシスコ ⇨ 2015年廃業)
  • Loup     (2014年設立、本社サンフランシスコ)
  • Chariot    (2014年設立、本社サンフランシスコ ⇨ 2016年Fordが買収)

 

Viaを除き、サンフランシスコでは一時期通勤バスに力が注がれていたようだが、2015年はRidePal、Leap Transitが廃業し、同年にLoupも一時サービスを停止していた。Chariotだけが上手く成長しFordから買収されるに至ったのは何故なのだろうか?

(RidePalはチャーターバスを運営するBaurer's Intelligent Transportationのいちサービス部門として吸収されている)

 

Leap Transitはハードウッドのフロアするなど、内装を最先端のテック企業が好みそうなテイストに仕上げ、WiFIはもちろん完備し冷たい飲み物やスナックを提供していた。Leap Transitの失敗は一言でいうと「ニーズがなかった」と思われる。テック企業に勤めるギークなエンジニア以外には受けなかったのではなかろうか、とある記事は考察している(参考)。

 

ChariotがRidePal、Leap、初期のLoupと根本的に異なっていたのはバスではなくバン(van)を使ったことにも一因があるようだ。

バスを使用すると、公共バスが停車する位置には法律上停車することができないが、バンであれば乗降時には停車が可能である。

さらにChariotは積極的に公共バス会社と協業に力を入れた。同じ地域で客を取り合うのではなく、あくまで既存バス路線からユーザーの最終目的地(通勤先あるいは最寄りのバス停など)までの空白を埋めることに注力したとのこと。

 

設立年から見て、先の企業から学びつつ基本に忠実にユーザーの困りごとを見つめたことがChariotの勝因に繋がったのかもしれない。

 

簡単に企業の命運を調べてみたのだが、成功例は情報が多いものの失敗例はほとんど見つからないというのも新たな発見であった。

 

 

参考:

www.nytimes.com

 

How Chariot has thrived where other private transit startups failed