Masabi:ライドシェアと公共交通機関を繋ぐオンラインチケット

UKに本社をおくMasabiは公共交通機関の切符をスマートフォンで購入できるサービスを提供している。公共交通機関が脆弱なシリコンバレーにはなく、多種な交通機関が存在する英国ならではのスタートアップではないだろうか。

 

同社は2018年4月にはライドシェアの雄、Uberが同社との協業を発表した。Masabiの開発したSDKUberに提供し、Uberのアプリ上で提携する公共交通機関の切符が購入可能となる。

すなわちUber利用者は目的地までをライドシェアと公共交通機関を効果的にかつ少ないアクションで組み合わせることができる。

自動車、自転車、電動スクーター、バス、電車と移動手段が増えるに従って、移動手段ごとの決済が増えるのはユーザーにとってはあまり嬉しくないことではないだろうか。私自身もたまにしか乗らないBART(シリコンバレーの電車)のチケットに数ドルだけ残しており、いつ使うあてもない。これがアプリ上で過不足なく使った分だけ処理されると非常にありがたい。従ってこのMasabiとUberの協業には期待している

 

Uberをはじめ、BMWやFordなど自動車メーカー各社も同様にいわゆるMaaS(サービスとしての自動車)ビジネスとして、ライドシェアから公共交通機関を繋ぐプラットフォームの実現に力を入れているように感じる。

 

どんな世界観が待っているだろうか。

どこかに遊びに行きたいとおもったら、アプリを開く。

行き先を入力すれば複数の移動手段を組み合わせたルートの候補がいくつか表示され、私たちは金額や所要時間から最適なものを選ぶ。選んでしまえばあとは指示に従って動くだけ。

電車の改札ゲート、バス乗車時の読み取り機も存在しない。スマートフォンの位置情報、移動速度の変化などから移動にかかる費用はクラウド上で自動的に清算される。

 

移動中にすることと言ったら、同じアプリ上で表示される目的地周辺のおすすめレストランにアプリ経由で予約を入れることだけ。

 

こんな風にシームレスに複数の交通機関を駆使して移動できるようになった暁には、移動中に困るのはインターネット接続が切れることと、バッテリーがなくなることの2点ではないか。

この2点に信頼の置ける交通機関かどうかの方が、乗り心地なんかよりもよっぽど今後はユーザーが選ぶ基準になりそうな気がします。

 

 

参考:

www.masabi.com

wired.jp